シリコンMEMS発振器の耐性および信頼性

長い間、発振器には、特定の周波数で振動するように振動子を駆動するアナログ発振保持回路と接続した水晶振動子が使用されてきました。現在はその代替手段としてシリコンMEMS振動子があり、これらのデバイスはノイズ環境において水晶振動子よりも性能が優れています。 通信速度の高速化や移動体通信の普及で、フロック発生源への要求も厳しくなっています。加えて、電子機器が複雑になろうとも、クロック周波数が高くなろうとも、クロックデバイスはノイズ環境において良い性能を示し続ける必要があります。 本書では、水晶発振器とシリコンMEMS発振器で行った比較実験の結果を示します。これらのデータから、現実的な環境条件下ではMEMS発振器のほうが水晶発振器よりも性能が優れていることが確認できると思います。 発振器メーカーは、周波数安定性、ジッタ、位相ノイズ等の性能パラメータを記した各製品のデータシートを提供しています。データシートはタイミングデバイスを選択する場合の良い指標にはなりますが、ユーザーはこれらのデバイスが実際の環境条件下においてどのように機能するかを評価しなければなりません。 実際の動作環境を模倣した条件下で試験を行うことにより、正確なコンポーネント性能に関する有益な情報が得られます。電磁妨害(EMI)、振動、電源またはその他のシステムコンポーネントからのノイズ等の環境ストレス要因を受けた発振器の性能は、理想的条件下の発振器と比べて低下します。最悪の場合、環境ストレス要因がデバイスの信頼性を低めたり寿命を短くしたりする可能性があります。タイミングデバイスを選択する場合、現実的で過酷なノイズ条件下において発振器の性能を考慮することが重要です。

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